House of Vicinitas
The Intersection
Place for Vicinitas
Details of the façade
Plants on the architecture
Coexisting Architecture:
The Intersection of City and Nature
The Intersection of City and Nature
House of Vicinitas is a multi-purpose complex located in Yokohama, housing the headquarters of the creative studio, Studio Vicinitas. Situated just 40 minutes by train from Tokyo, this architectural project integrates the studio’s headquarters, the community hub “Place for Vicinitas,” various tenants, private residences, and collective housing into a cohesive whole.
The design is based on a two-building structure, each functioning independently yet interconnected through a lower-level section and multiple bridges. Depending on the viewpoint and angle, the arrangement appears either as two separate architectural series or as a single unified structure, introducing a sense of visual dynamism. This configuration reexamines the relationship between unity and individuality in urban architecture. The program is organized with the headquarters of Studio Vicinitas and commercial facilities housed within the lower-level section between the two buildings, while the West wing accommodates private residences and the East wing hosts collective housing, creating a balance of complementary uses.
The exterior is defined by the tactile quality of exposed concrete achieved through the use of custom formwork, elevated to a refined minimalism with white paint. The white façade, combined with the terraced floors and lush greenery, generates a rhythm that is both serene and dynamic. The integration of greenery into the architecture strengthens its connection with the urban environment. With a greening rate exceeding 50% of the total floor area, the design is intended to foster harmony between nature and the city. This greening not only allows the building to function as a space where “humans and nature share the environment equally,” but also invites reflection on the impact of architecture on urban ecosystems. The thermal insulation provided by soil, along with the shade created by trees, delivers physical benefits that contribute to sustainability and serves as a prototype for tackling climate change in an urban context.
The three-dimensional outdoor space, where the two buildings are connected by bridges, is named The Intersection and serves as a symbolic element of this architectural project. Here, not only do city and nature coexist, but people, various functions, and both public and private spheres intersect. The Intersection provides a flexible and dynamic spatial experience for urban dwellers, offering a place for individuals to meet, interact, and create new values together.
Internally, the lower-level section includes Place for Vicinitas, a space designed to connect with the local community and act as the hub of the studio’s outreach activities. This rentable space supports a variety of activities—ranging from car washing and DIY projects to children’s crafts—that extend beyond everyday experiences. The interior is finished with rough, durable materials, creating an urban playground that can withstand heavy use. This space is conceived as a community focal point, where residents and visitors can interact with the architecture and each other, fostering the creation of new values through collaboration.
The term Vicinitas originates from the Latin word for “neighborhood” or “proximity.” True to its name, this architecture manifests a place where different elements come together, sometimes intersecting, sometimes coexisting. House of Vicinitas embodies Studio Vicinitas’s concept of a “place where contrasting elements coexist and quietly intersect.” The project reconciles urban and natural elements, public and private spaces, and individuality and unity in a dynamic equilibrium, presenting a thoughtful response to the challenges of contemporary urban architecture.
This project is not merely a building; it redefines how architecture should exist in the modern city. By offering a new model of sustainability and community engagement, House of Vicinitas proposes a forward-looking vision for the future of architecture.
共存する建築：都市と自然の交差点
House of Vicinitasは、横浜市内に位置し、クリエイティブスタジオStudio Vicinitasの本社機能を含む複合施設である。東京から電車で40分にあるこの建築は、スタジオ本社機能のほか、コミュニティの核となる「Place for Vicinitas」、テナント、個人住宅、集合住宅が一体となっている。
この建築は、二棟の構成を基本とし、それぞれ独立した存在でありながら、低層部と複数のブリッジによって有機的に結ばれている。視点や角度によっては二つのシリーズの建築にも、一体化した大きな建築物にも見えるその配置は、視覚的なダイナミズムをもたらし、都市環境における建築の一体性と個別性の関係を再考する一つの試みとなっている。プログラムとしては、二棟の間に設けられた低層部に、Studio Vicinitasの本社機能や商業施設を、West棟には個人住宅、East棟には集合住宅が配置され、異なる用途が相互に補完し合う構成となっている。
外装は、特殊型枠によるコンクリート打ち放しの質感を白塗装によって洗練されたミニマリズムへと昇華している。その白いファサードが、階段状に配置されたフロアと緑豊かな植栽とともに、静謐でありながらもダイナミックなリズムを生み出している。特に、建物に取り込まれた緑が都市環境との繋がりを強調しており、延べ面積当たりの緑化率50％を超える設計は、都市における自然との共生を意図している。この緑化によって、建物は文字通り「人と自然が半分ずつ場所を共有する」空間として機能し、建築が都市環境に与える影響を再考させる。断熱効果を生む土壌、木陰の創出など、緑がもたらす物理的な恩恵は、建築の持続可能性や地球温暖化対策の文脈においても、重要なプロトタイプを示唆する。
二棟をブリッジがつなぐ立体的な屋外空間は「The Intersection」と名付けられ、この建築の象徴的な要素となる。ここでは、都市と自然が共存するだけでなく、人々、異なる用途、パブリックとプライベートといった様々な要素が交差する。この場所は、異なる人々が出会い、交流し、共に新たな価値を生み出す場として、都市生活における柔軟でダイナミックな空間体験を提供している。
建築の内部構成として、低層部には地域社会と接続するPlace for Vicinitasが設けられ、スタジオのコミュニティ活動の中核として機能する。この時間貸しスペースは、洗車やDIY、子供たちの工作といった、日常の延長線上の多様な活動を支援する場としてデザインされている。内装はラフな仕様で、ハードな使用にも耐えうる素材が採用されており、都会の中におけるプレイグラウンドとしての役割を担う。この空間は、地域社会が建築の一部を利用し、異なる人々が交わり、共に新たな価値を創造する拠点として位置づけられている。
Vicinitasという言葉はラテン語で「近隣」や「近接性」を意味する。この建築はその名の通り、異なるものが近接し、時には交差し、共存する場を実現している。House of Vicinitasは、都市における異なる要素同士の共存を可能にする場所として、Studio Vicinitasが掲げる「異なるもの同士が静かに交差する場」というコンセプトを体現している。都市と自然、プライベートとパブリック、そして個別性と一体性が、動的な均衡の中で調和するこの複合施設は、現代の都市建築が抱える課題に対する一つの回答となるだろう。
このプロジェクトは、単なる建築物ではなく、現代の都市の中でどのように「建築が存在するべきか」を問い直すものであり、持続可能性とコミュニティの新たな関係性を提示する次世代のモデルとして、建築の未来に対する提言をも内包している。
House of Vicinitasは、横浜市内に位置し、クリエイティブスタジオStudio Vicinitasの本社機能を含む複合施設である。東京から電車で40分にあるこの建築は、スタジオ本社機能のほか、コミュニティの核となる「Place for Vicinitas」、テナント、個人住宅、集合住宅が一体となっている。
この建築は、二棟の構成を基本とし、それぞれ独立した存在でありながら、低層部と複数のブリッジによって有機的に結ばれている。視点や角度によっては二つのシリーズの建築にも、一体化した大きな建築物にも見えるその配置は、視覚的なダイナミズムをもたらし、都市環境における建築の一体性と個別性の関係を再考する一つの試みとなっている。プログラムとしては、二棟の間に設けられた低層部に、Studio Vicinitasの本社機能や商業施設を、West棟には個人住宅、East棟には集合住宅が配置され、異なる用途が相互に補完し合う構成となっている。
外装は、特殊型枠によるコンクリート打ち放しの質感を白塗装によって洗練されたミニマリズムへと昇華している。その白いファサードが、階段状に配置されたフロアと緑豊かな植栽とともに、静謐でありながらもダイナミックなリズムを生み出している。特に、建物に取り込まれた緑が都市環境との繋がりを強調しており、延べ面積当たりの緑化率50％を超える設計は、都市における自然との共生を意図している。この緑化によって、建物は文字通り「人と自然が半分ずつ場所を共有する」空間として機能し、建築が都市環境に与える影響を再考させる。断熱効果を生む土壌、木陰の創出など、緑がもたらす物理的な恩恵は、建築の持続可能性や地球温暖化対策の文脈においても、重要なプロトタイプを示唆する。
二棟をブリッジがつなぐ立体的な屋外空間は「The Intersection」と名付けられ、この建築の象徴的な要素となる。ここでは、都市と自然が共存するだけでなく、人々、異なる用途、パブリックとプライベートといった様々な要素が交差する。この場所は、異なる人々が出会い、交流し、共に新たな価値を生み出す場として、都市生活における柔軟でダイナミックな空間体験を提供している。
建築の内部構成として、低層部には地域社会と接続するPlace for Vicinitasが設けられ、スタジオのコミュニティ活動の中核として機能する。この時間貸しスペースは、洗車やDIY、子供たちの工作といった、日常の延長線上の多様な活動を支援する場としてデザインされている。内装はラフな仕様で、ハードな使用にも耐えうる素材が採用されており、都会の中におけるプレイグラウンドとしての役割を担う。この空間は、地域社会が建築の一部を利用し、異なる人々が交わり、共に新たな価値を創造する拠点として位置づけられている。
Vicinitasという言葉はラテン語で「近隣」や「近接性」を意味する。この建築はその名の通り、異なるものが近接し、時には交差し、共存する場を実現している。House of Vicinitasは、都市における異なる要素同士の共存を可能にする場所として、Studio Vicinitasが掲げる「異なるもの同士が静かに交差する場」というコンセプトを体現している。都市と自然、プライベートとパブリック、そして個別性と一体性が、動的な均衡の中で調和するこの複合施設は、現代の都市建築が抱える課題に対する一つの回答となるだろう。
このプロジェクトは、単なる建築物ではなく、現代の都市の中でどのように「建築が存在するべきか」を問い直すものであり、持続可能性とコミュニティの新たな関係性を提示する次世代のモデルとして、建築の未来に対する提言をも内包している。